お茶文化を支える京都唯一の村・南山城と歴史の街・伊賀を訪ねる旅

宇治茶の生産地としても知られる京都府唯一の村・南山城村。美しい茶畑が広がる素朴な山村の風景を訪ね、この土地ならではのお茶文化に触れ、地元の味覚を楽しむ。そしてさらに旅は歴史ある里山・伊賀へ。城下町の面影を残す町並みや伊賀上野城の白亜の天守を巡り、京都と伊勢を結んだ歴史の道を辿る。日本の原風景と文化を味わう1泊2日の旅。
京都を代表するお茶の産地へ
道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」に隣接し、広大な茶畑の景色のなかに位置する「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ」。
Day1 総移動距離 81.3km
Day1 合計移動時間 約2時間
旅の始まりは南山城村への道中にある「石寺の茶畑」から。山並みいっぱいに広がる茶畑は、京都のお茶文化を支えてきた歴史を物語る風景。周辺にはお茶にちなんだ食やドリンクを提供する店も多く、まさにお茶ずくしの旅を楽しめる。
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約60分
都市部の喧騒を抜け出し、山間へと分け入ると一面に茶畑が広がっていた。
宇治茶の里からはじまる旅「石寺の茶畑」
宇治茶を育む山あいの“幾何学模様”
旅の最初に訪れたのは、京都府相楽郡和束町にある「石寺の茶畑」。山の斜面いっぱいに幾何学的な茶畑が連なり、折り重なる緑のラインが美しい。朝日に照らされた茶葉はきらめきを放ち、その風景をいっそう際立たせていた。
宇治茶とは、単に宇治で生産された茶を指すわけではない。京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県で育てられた茶葉を、京都府内の業者が、宇治地域に由来する製法で仕上げ加工したものをいう。しかしながら、この南山城村で生産される「むらちゃ」は、豊かな風味と奄美が評価され、重宝されているという。
ふだん慣れ親しんだ日本茶がここで育てられている。生産地を訪れることで、お茶の味わい方もかわりそうだ。そして、いま目の前に広がるこの茶葉もやがて宇治茶となってどこかの食卓へ届き、暮らしのひとときにささやかな豊かさをもたらすのだろう。
森にひらく、小さなユートピア「ガーデンカフェ ミーム」
森に囲まれるように建つ「ガーデンカフェ ミーム」。内装やインテリアの随所に、丁寧なこだわりが感じられる。飲食スペースのほか、演奏会のステージにもなる別棟や雑貨を扱う建屋、さらにはニワトリ小屋まで備え、小さな理想郷のような空間が広がっていた。さきほどまで眺めていた茶畑とは、まるで別の世界に迷い込んだかのようだ。
店の準備をしながら敷地内を軽やかに動き回るオーナーの宮西さんは、なんと87歳を迎えるという。あふれるエネルギーをまとい、「これから仲間たちと新しい店づくりの打ち合わせがあるんだよ」と笑う。その声を聞きつけたように仲間が次々と集まり、森に包まれた空間に楽しげな会話が広がっていった。
打ち合わせの様子と森の風景を横目に、注文したのは「お手製ミックスピザ」と「ナポリタン」。どちらもどこか懐かしく、素朴で温かみのある味で、旅の情緒をさらに深めてくれた。
お茶の香りに包まれる「トロッピカル窯」
灯りと香りの器「茶香炉」
昔ながらの住宅が並ぶ道を抜けると高台に現れたのは、南山城村にアトリエ兼ショップを構える「トロッピカル窯」。やわらかな雰囲気で迎えてくれたのは、陶芸家の藤田さん。自ら作陶したプロダクトを販売する一方、アトリエでは陶器にまつわるワークショップも開いている。
6年にわたる試行錯誤の末に生まれた人気商品「茶香炉」は、お茶の生産地である南山城村らしさを映した一作だ。家の中にあかりが灯るようにキャンドルを入れ、実際に焚いてもらうと、ほんのりと甘くやさしい香りが空間に広がった。茶葉の種類によって香りが変わるのも楽しみのひとつだと、藤田さんは教えてくれた。
ショップは予約制で、藤田さん自らが案内してくれる。穏やかな人柄がにじむ作品の数々と、インテリアとして配された古道具が調和する空間には、茶香炉の香りも相まって、まるで洗練された美術館のようだった。
約8分
木津川沿いに車を走らせると、沈下橋である「恋路橋」が見える。
異国情緒ただようやさしいパンの香り 「ミッシーのぱん」
南山城村育ちの店主・三嶋さんが営む、小さなベーカリー
南山城村の主要道路・国道163号から少しそれた、府道82号沿いに佇む「ミッシーのぱん」。店主の三嶋さんは南山城村で生まれ育ち、趣味で続けていたパン作りが高じて、この店を開いたという。
店内にはビートルズなどのミュージシャンのレコードが飾られ、日本の村にあるとは思えない、どこか異国情緒ただよう雰囲気。イートインスペースも設けられ、焼きたての香りに包まれながらゆったりと過ごせる。
茶の名産地ならではの「抹茶メロンパン」と焼きたての「マルゲリータピザ」を購入。作りたてのマルゲリータピザは、小さな窯で三嶋さんが一枚一枚丁寧に焼き上げている。もっちりとした生地にチーズが絡み、思わず頬がゆるむおいしさ。三嶋さんの人柄を感じさせる優しくあたたかな味わいだった。
お茶の村の手みやげ「道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村」
ホテルのチェックイン前に、隣接する「道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村」へ。目的は、南山城村の名物「むらちゃだんご」だ。しかし店内は驚くほどの賑わい。しかも売り場は空だった。出遅れたかと悔やんでいたが、スタッフが店内で蒸し上げたばかりの「むらちゃだんご」を運んできた。出来上がりのアナウンスが流れると、どこからともなく人が集まり、次々とだんごを手に取っていく。なくなる寸前で、なんとか購入することができた。
ほかにも、道の駅オリジナルの「むらちゃティーバッグ」や「茶そば」、南山城村産の原木しいたけを使った「原木しいたけカレーパン」など、ローカルな軽食とお土産を持ち帰ることができた。
旅の拠点「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ」へ
道の駅をあとにし、その足で「フェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ」へ。ちなみに、ホテルは歩行者用の通路で直結していて行き来もしやすい。チェックインの際、翌日は三重県伊賀方面へ向かう予定だとスタッフに伝えると、いくつかおすすめのスポットを教えてくれた。あわせて、ロビーラウンジ横にあるマーケットプレイスで販売している日本酒も紹介してくれた。
伊賀市に蔵を構える大田酒造の「半蔵」。2016年の伊勢志摩サミットでワーキングディナーの乾杯酒に選ばれた銘柄だという。さっそくロビーラウンジで味わってみると、フルーティーで華やかな香りが立ちのぼり、やがて上品な旨味がゆっくりと広がる。明日からの伊賀道中に向けて、幸先のよい一杯となった。
1泊1室 ¥15,730〜